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お引っ越し

この度、ブログ切り替えることにしました。

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反撃

前回の少し直して頂きました。再掲載と付け足しております。


守助くんがその後一路くんとどうなったか、僕は正直詳しく分かりません。ただ一部の五年生の間でも反守助勢力みたいな動きが強まっていると風の噂で耳にしました。とは言え、あの有名な悪ガキの守助くんが簡単にやられる訳がないと僕は思っていましたし、何かのタイミングでまた守助くんが信頼を取り戻した瞬間、今度こそ一路くんたちは大勢の前でボコボコにされるのではないかと僕は思っていました。
芳彦くんは守助くんがいない時は、何にしても彼の悪口を言いたくて堪らないようでしたし、身体測定のあの事件のことは何度話しても飽き足らないようでした。逆に僕は守助くんが家にいない時も彼の存在に怯えていた為、芳彦くんのそんな会話にも常に神経を尖らせていたかと思います。
それは例の事件から数週間後の出来事だったかと思います。
榊原さんたち父の酒飲み仲間は、六時過ぎに家に集まると皆で我が家に集まります。僕の家は貧乏の割に広かったので居心地がよかったかもしれません。
「アホ信二。何度同じ間違いすんだよ」
富田くんはノートを丸めて僕の頭をポカリと叩きます。僕は芳彦くんと一緒にちゃぶ台に教科書を広げて、富田くんに宿題を教えてもらっていました。
富田くんは僕と芳彦くんが間違えるたびにノートで頭を楽しそうに叩きます。父はいつものように仲間内と演歌中。こちらとしては迷惑極まりないですが、大人は子供のことなんて気にしないのです。暫くすると榊原さんが焼酎の瓶を抱えて持ってきておじさん仲間を沸かせました。
榊原さんは僕たちにスナック菓子を持ってきてくれて、それを机の上に広げました。
「宿題がんばっとんな。たまには休憩せなあかんぞ」
僕と芳彦くんは飛び跳ねて喜びます。
「まだ終わってからだろ〜」と富田くんもため息を着きますが、一緒に広げたスナック菓子を貪り始めます。
「ほんでなんだ。ピギーちゃんはどうした」
榊原さんは守助くんにあだ名を付ける名人です。最近ハマってるピギーちゃんと言うのは『豚の子供』と言う意味らしく何気に僕と芳彦くんのお気に入りのワードです。
「相変わらずギンさんは守助くん好きやなぁ」
他のおじさんたちが笑いながらそう言って、庭の横にある納屋を指差します。守助くんが悪さをすると大抵そこに閉じ込められるので、最近では守助小屋。守助くんが居ない時は、子供同士の間で密かに豚小屋と揶揄されていたりします。
「なんだ?また悪さしたんかい?」
「悪さしねぇ日なんてねーけどな」
「そういや今日なんだっけなあ」
「モリちゃんのこったから、道端で野糞でもしたんじゃねーのか?」
「坂上さんとこに爆竹でも投げ込んだんじゃないか?」
「そりゃいい!あのクソ頑固親父のズラを吹き飛ばしてくれんなら、俺は息子に一票入れるぜ!ほら、飯食わしてやれよ母ちゃん!」
父親がカッカッカッと顔を赤くしながら唾を飛ばして下品に笑います。
「あんた、それやめとくれよ。坂上さんただでさえこう言う噂に敏感なんだから。あんたまでそう言うこと言ったらアタシ外歩けないんだからね」
母親はぷりぷり怒りながら、水道を止めてエプロンで手を拭って、榊原さんにおつまみを出します。
「今日お昼帰ってきて久しぶりに寝ようとしたらアレ。仕事ばっかり増やすんだから」
母はベランダに干してある布団に目を向けました。この時間は通常は布団は干されてはないけれど、守助くんが変な時間におねしょをしたせいでまだ乾いていません。その黄色の地図を目にして父親たちは「そうだ、あれだあれ」と同時に首を縦に振ります。
「なんだ?モリモリちゃんはまだ寝小便垂れ治っとらんのか?」
「へ?ギンさん知らんかったか?三日に一回はやらかしてるらしいぞ」
「今日は朝とお昼だから二回だよ」
芳彦くんがすました顔で言ったのでおじさんたちはどっと笑い声をあげました。
「守助くんやっぱオムツ必要なんじゃないか?」
「だなぁ。しかしなんだあのケツのサイズはあるのかいな」
「こらやめたれ、モリモリちゃんに聞こえたらどうすんだよ」
しかしながら酔っ払い集団のそんな楽しそうな会話は、やっぱり納屋の中の守助くんにまる聞こえだったらしく、母が守助小屋の扉を開けた時には守助くんはシャツとブリーフ姿のまま顔を真っ赤にして大人の集団に突進していました。
「こ、こら!!」
「お、俺じゃねえぞ。モリくん。こら噛み付くなって!! 重い重い」
「守助ッ!!!!!」
母の怒鳴り声が響き、守助くんはすぐにその場から引き離されます。そしてまたしても小屋に入れられそうになっているところを榊原さんがなんとか母にお願いし、守助くんはやっと夕食にありつけておりました。
「ほらほら、食え食え」
榊原さんは守助が美味しそうに大盛りご飯を食べているところを幸せそうに眺め、その横で僕と芳彦くんは彼の汚い食べ方を軽蔑しながら見ていました。守助くんは榊原さんが机の上で広げていたスナック菓子をお米と一緒に口に放り込み、お茶と一緒に飲み込んで蛙みたいにゲップします。守助くんが来る前にどうして全部食べておかなかったんだろうと僕は後悔していました。芳彦くんも同じ気持ちだったと思います。僕らの家庭では一日お菓子一つと決められていましたし、買ったお菓子を守助くんに取り上げられるなんて事は日常茶飯事でした。僕と芳彦くんにとっては小さなお菓子でも貴重なものだったのです。
「ブヒブヒ喰い散らかしやがってきたねぇな」
そんな僕らの気持ち汲み取ってくれたのか、富田くんが守助くんに向かってそう言ってくれました。
守助くんは少し富田くんを睨んでいましたが、気にせずに箸を進めます。富田くんには敵わないのを知っているからでしょう。しかし富田くんはそんな守助くんが面白くないのか、今度は芳彦くんに肩を寄せてこう切り出しました。
「なあなあ芳彦。宿題はいいからさぁ。最近学校であった面白いこと教えてくれよぉ」
「面白いこと?? うーん」
「何かあるだろ〜?! 例えばさぁ。どっかの誰かが体育館で漏らしちゃったとかさぁ」
守助くんは箸を握りしめ、鋭い目つきで富田くんを睨みます。
「ん?なんだモリブタ。飯が上手いならフゴフゴ食ってろよ??」
富田くんは更に守助くんを挑発します。守助くんを怒らせてまた納屋に押し込める算段なののでしょう。
「てめぇ…」
「そんなことより教えろよ。なぁなぁ?? 信二も見てねーか?? 聞いたところによると、そいつ大勢の前で年下に電気あんまされてちびっちゃってんの。 し・か・も その後、保健室連れてかれて女子の前でケツとチンコ拭かれてんだぜw お?? なんだぁモリブタ?? さっきから震えてるけどまたなんか漏れちゃいそうなのか〜??」
ただでさえ例の事件の噂は大きくなって、最近の守助くんは荒れていました。なんせ道端でストリーキングをさせられてからのクラスでのパンツの貼り付け、体育の授業中のお尻丸出し事件に加えて今度は年下の前での公開お漏らしです。
普通のメンタルの持ち主ならまず学校に来れなくなる内容に間違いありませんし、下手すれば恥ずかしくて外出さえ出来なくなるでしょう。田舎でも特に子供が多いこの地域では子供同士の間でも噂は広まりやすいので、どこに言っても後ろ指を指されて馬鹿にされかねません。あまつさえ小学六年生と言う最年長の立場でのこの失態は、何かと敏感な僕らの年頃の子にとってはほぼ学園生活的に死を与えられたも同然なのです。これは言い過ぎでもないと思っています。基本的には守助くんは嫌いな僕も、どうしてかこういう守助くんの自由奔放な性格の強さがちょっぴり羨ましく思えていたりもしたんです。

保健室の事は、実は僕も小鉄くんから聞いていた内容ではありました。実際どこまでが本当か分からないですが、女子も大変大騒ぎだったとか。そりゃあ普段からガキ大将を気取っているデブっちょの守助くんが、下半身を濡らした状態で保健室に登場し、保健の先生に下半身を掃除させられていたら、女子だって平常心で居られるわけがないでしょう。
「うっそお!! 三浦のババーにちんこ拭かれてんのこいつ?!」
目の前の思わず芳彦くんはそう言って立ち上がってしまい、慌てて口を抑えます。
「芳彦くん!!」
僕は口に人差し指を当てますが、間に合わなかったようです。
反射的に守助くんは重い腰を持ち上げると、ちゃぶ台を踏んづけて芳彦くんに飛び掛かって馬乗りになりました。茶碗と皿が同時に床に引っ繰り返って母が悲鳴に似た怒鳴り声を上げました。守助くんは顔を真っ赤にして興奮してしまっていて、もう止まりません。例の事件の屈辱、富田くんへの怒りがいっぺんに芳彦くんに向いてしまっているようでした。
芳彦くんは顔を両手で覆っていましたが、それでも守助くんはグーパンチを何度も芳彦くんの顔面に繰り出します。
「ヲイ!! やめろって…芳彦は関係ねぇだろうが!!」
富田くんも止めようとしますが、守助くんはこうなったらなかなか止まらないのです。
「おめぇら、喧嘩なら外でやらんか!!」
父が唾を飛ばして呑気に怒鳴ります。芳彦くんはその隙に何とか守助くんの体重を振り切って起き上がると、そのまま裸足で庭へと飛び出します。守助くんも怒鳴り散らしながら彼を追います。僕は芳彦くんを何とか助けたい思いでしたが、酔っ払い集団の頭にはアルコールが詰まってしまっているようで何の役にも立たないのです。寧ろ楽しそうに庭を馳け廻る二人を眺めているのです。
「芳彦ちゃん逃げろ逃げろー」
「がんばれ〜」
ふざけた口調で他人事のように芳彦くんを応援する彼らを、僕はこういう時、心から軽蔑していました。
守助くんは納屋の壁際まで芳彦くんをついに追い詰めると、みぞおちや顔面にパンチを何度も繰り出します。守助くんは喧嘩は弱いのに対して一方的な暴力は慣れっ子です。守助のグーパンチが芳彦くんの顔面にヒットし、芳彦くんがワァッと泣きだすと縁側で見ていた母も怒鳴ると言うより呆れたようにため息を付いています。昼間から守助くんの面倒に酔っ払いの相手。既にヘトヘトの様子でした。
「でもよぉ。芳彦はムカシっから口だけ達者な割には弱っちいし情けねえんだよなぁ」
父は仲間に芳彦くんを責めるような言い方をしていました。
「だいたい男なら年上だろうが年下だろうが拳で勝負しんねえとなあ?? おーい聞いてっか芳彦!! いつも言ってっだろ?? 男ってのはなァ、泣いたら負けなんだぞ泣いたら!!」
格好つけてそう言って父は周りの仲間に持ち上げられていました。本当にこの人たちは気持ちが悪いなと僕は辟易していました。榊原さんだけが蹲って泣き止まない芳彦くんを心配そうに眺めています。
「ほら、ヨシヒコ。お母さんとこ来なさい。顔見てあげるから」
母が芳彦くんを手招きます。守助くんは何発も芳彦くんを殴りに殴って満足した表情です。
そう。いつもならここで終わるのです。けれど、今日は違いました。それは次の瞬間でした。なんとあの芳彦くんが守助くんに飛びかかったのです。
僕は一瞬何が起こったのか分かりませんでした。守助くんが芳彦くんに追い打ちをかけたのかとさえ思った程です。でも違います。芳彦くんが守助くんに生まれて初めて勝負を仕掛けたのです。
油断していた守助くんは周り以上に気が動転しいたと思います。こんなことなかったのですから当然でしょう。芳彦くんは泣きながらも庭の真ん中で守助くんに掴みかかり、守助くんは必死で抵抗しようとします。すぐに守助くんが芳彦くんを押さえつけて屈服させるかと思いきや、意外と苦戦しているようにも見えました。
縁側でぼやあっとツマミを齧っていた父達もまさかの展開に「おあっ」と声を上げてしまっていました。
守助くんは何度も芳彦くんに馬乗りになろうとして体重をかけようとしますが、芳彦くんも華奢な身体をさっと引いてそれを避けます。何度かぐるぐる二人は転がります。そして芳彦くんが倒れた瞬間に守助くんが彼の横腹を思い切り蹴り上げました。一発、二発...。今度こそ守助くんに軍配があがると思いきや、それを芳彦くんは待っていたかのように彼の太い足に食いついたのです。
両脚を掴まれた守助くんはバランスを崩して仰向けに倒れ込みました。守助くんに隙が生まれます。その間に芳彦くんは彼の両脚を両手で掴んでその場で体制を整えました。
「なんだヨシヒコのやつ。慣れねぇプロレスでもかけんのか?ったくせっかくいい勝負だったのによ」
おじさん達は残念がってはいましたが、僕は芳彦くんが守助くんの両脚をガッチリと脇に固めたところで彼の狙いに気づきます。僕は既に芳彦くんの勝利を確信していました。
この時の守助くんの怯えた顔つきは、僕は今でも忘れずに胸にしまってありますw
「放せ!! 放せよッ!!!」
「いいぞいけ!! 芳彦。死んでも手放すんじゃじゃねぇぞ!!」
富田くんも縁側の観戦席から応援の声を上げました。
「ヤメろ!! まじで芳彦やったら...てめぇどうなるか....!!」
守助くんは地面で身体を捻って動き回りますが、既に自由は効かないようでした。
そして芳彦くんの足が伸び。その足の裏が、守助くんの股間に添えられます。家で守助くんは白シャツと白ブリーフ一枚の姿のため、体育館の時とある意味条件は一緒です。
それは芳彦くんが初めて自分の意思で守助くんに仕掛ける攻撃でした。守助くんは弱点をつかれ、彼の大の苦手の電気あんまが始まったと同時にビクンビクンと身体を跳ね上がらせました。シャツの上からでも彼のおっぱいとお腹がぶるんぶるんと波打つ様子がわかります。
「だーはっはっは!! 見ろや!! モリくんがヨシくんにおちんちん踏み踏みされちゃってるゾ〜」
「こりゃ傑作だな。おーいヨシヒコやい。そのままモリスケ懲らしめたらお駄賃やるからなあ!!」
おじさんたちも初めてみるその光景に胸を踊らせているように見えました。
「や…ッ…め…ろよぉ…ってめえ…」
守助くんは股間の振動に歯を食いしばって耐えながら、芳彦くんを鋭い目つきで威嚇します。しかし電気あんまの勢いは止まりません。
学校で一路くんにやられた時と違って、守助の両手は塞がってはおりませんでしたが、小鉄くんにやられた時と同様に守助くんは両手が自由だとしても起き上がることが難しそうでした。何度片手を地に付いて大きな身体を持ち上げようとしても、股間で小刻みに振動する足に気を取られてしまっているのか、すぐに力尽きて背中が地面に付いてしまいます。普段の運動不足と肉付きのいい上半身との悪条件が重なってしまって、自分の身体なのにまるで自由にコントロールできていないようにも見えました。

いつの間にか大声を出して暴れていた守助くんの抵抗も静まっていき、彼の反応が鈍くなっていきます。
榊原さんが富田くんに「ちょっと見てやってきてや」と頼み、富田くんが庭に降りて二人の方向へと向かいました。富田くんは仰向けの守助くんを覗きむと、悪戯っぽい笑みを浮かべます。
もう何が起きていたかここで説明する必要もないでしょう。

本来であれば泣き止まない芳彦くんを母が抱き締めて慰め、それを見た守助くんが高々に笑うのが我が家の日常でした。
母は他人への迷惑行為には厳しいのですが、守助くんが僕や芳彦くんをまとめて泣かすなんてあまりにも日常的過ぎて毎回相手にしません。僕や芳彦くんがどんなに泣いて守助くんにやられた辛さや悔しさを訴えようとも、母は兄弟喧嘩においては守助くんに表面上でしか注意はしないのです。注意しても守助くんが聞かないことは分かっていますし、兄弟だから仕方がないと思っていたのでしょう。
まして父親からの対応なんて外道中の外道。
「ああン?? なんだぁ?? 男のくせに喧嘩で負けてピーピー泣いてんじゃねぇよ!! 飯抜きにすっぞ」
弱い方が悪い。泣く方が悪い。をモットーの父の前にして泣いた瞬間に僕らは基本父からは貶されて、弱虫、泣き虫とレッテルを貼られます。守助くんは普段の問題行動があり過ぎるため、僕らより叱られる回数こそ多いのですが、例え僕らを泣かせても父の横ではすました顔で食事をしているのです。そして暇さえあれば泣いている僕らを更に冷やかして追い討ちをかけるのです。無論父は「男のくせにみっともねぇな!!」と言って新聞で僕らを邪魔そうに叩いてあしらうだけ。それが我が家の日常でした。今までは。
しかし今守助くんは仰向けで、ブリーフをぐっしょりと濡らした状態で動きません。太い二の腕で顔を隠して、口をへの字に曲げています。僕は富田くんに呼ばれて庭に来ておりましたが、既に泣き止んで薄っすら笑みを浮かべている芳彦くんを見て、自分の予想が正しかったことに気がつきました。
母はやっと腰を上げてサンダルを履くと僕らの方へとやってきます。僕と芳彦くんは立ち上がったまま守助くんを見下ろしていて、富田くんは意地悪なのか本気で心配しているのか「おーい。聞こえてるのか〜」と守助くんの耳元でしゃがんで守助くんに何度も声をかけています。
「もう...バカ。起きなさい...こんな濡らしてー」
母は守助くんを背中から抱きかかえるようにして起こすと(それだけでも苦労していました)背中についた砂を払いました。
もう夜遅かったですが、我が家の電球が庭を明るく照らしていたため、守助くんの真っ黄っ黄のパンツは室内からでも丸わかりだったでしょう。
立ち上がった守助くんを見ておじさんたちはあんぐりと口を大きく開きます。守助くんが電気あんまで漏らしちゃうなんて、案の定誰も想像だにしていなかったようでした。
「おぃおぃ....!! なんだおめぇ!? まさか弟にチンタマ踏まれて漏らしたんじゃねぇだろうなァ!?」
「よっ!! お漏らし大将!! モリモリちゃんええ格好しとるぞ〜。頼むからこっちくんなよぉ」
「ばっかやろぉ。今ヤツを茶化すなよ。あのパンツごと飛びかかってきたらこっちも相当な被害だぞ!?」
だが守助くんはおじさんたちに向かって行くことはありませんでした。右腕で顔を押さえ、嗚咽を漏らしながらとうとうその場で泣き始めてしまったのです。
「おんめぇ...すげぇよ!? ...やったじゃんか!!」
富田くんは素直に歓喜の声を出して、芳彦くんの頭を撫で回します。そして彼の小さな背中を押して父親たちの元へと送るように走らせました。もしかすると兄弟のいない家庭には異常な光景にも見えるかもしれませんが、あの守助くんが芳彦くんにやられるなんて我が家の大事件、芳彦くんの快挙なのです。その時の父親達の喜びようといったら他に例えようがありませんもの。
「芳彦。おめぇいつのまに強くなったんだぁ!!? 父ちゃんうれしいぞ」
「ヨシくんほんますげぇって!! あのモリくん泣かせたんやぞ?! パーッと今から祝うか!!」
「泣かせただけじゃねえぞ。強制失禁だかんなぁ。こりゃ当分あの悪たれも芳彦くんには大きい顔できんくなるぞ〜」
芳彦くんも浮かれつつ、そして若干照れ臭そうにしながらも、父の膝の上で彼らの笑顔に応えていました。
正直僕にとっては、守助くんが神社から家までフリチンで帰らさせられることよりも、体育館でお漏らしさせられることよりも、弟の芳彦くんにどんな形であれ泣かされることの方が大事件でした。ずっと守助くんのイジメに苦しんでいた僕にとっては、まさかこんな日が来るなんて夢にも思ってもいなからです。本当に夢でも見ている気分でした。
「もぉーあんたは恥ずかしいわねぇ…お尻のところまで濡れちゃってるじゃない....あっ、足にも垂れてる!!」
母は泣いている守助くんをあやすように軽く頭を撫で、優しく声を掛けています。本来なら僕か芳彦くんが守助くんに泣かされたときに母が向けてくれる優しい表情なのです。守助くんは自分が叱られた時以外(あるいは富田くん・大人に懲らしめられた時)で母にこうして慰められていることは滅多にありません。(勿論、実際は僕らの居ない時に甘えたりはしていたようですが)
「ごめんなさいねギンさん…そっち後で片付けるから」
「ああ。気にせんでええぞ。わしも酔っちょるからお構いなくしてくんさい。それにこっちはええもん見せてもらったから気分ええわ〜」
守助くんが大のお気に入りの榊原さんは、泣いている守助をつまみにして気分良さそうに酒を飲んでいます。
「もう泣かないの。汚いから下洗いに行くわよ」
母はそう言って守助くんの手を引いてお風呂場に連れて行こうとします。しかしそこで文句を言い出したのは父でした。
「なぁにぃー?! まった風呂場かよ?! 今日風呂場で守助の小便何回流してんだよ!?」
「朝ション、昼ション、夜ション。こりゃすげぇな。新記録じゃねぇか守くん」
他のおじさんたちが泣いている守助くんをからかいます。だが父は笑っていませんでした。
「あんなァ…言っとくがウチの風呂場は便所じゃねぇんだよ。こいつの小便洗った後の風呂場にどぉーして俺たちゃ我慢して入らなきゃいけねえんだ!?」
「うるさいわね。子供なんだからしょうがないでしょ」
「ばっきゃあろお。どこの世界に一日に三回も漏らす中学生がいるんだよ!? トイレにいけねぇならオムツでもさせときゃいいだろ」
「まだ小学生でしょ。ほんと酔っ払いは煩いわね」
いつものように夫婦喧嘩が始まりますが、今回ばかりは僕も芳彦くんも父の意見に珍しくも賛成でした。そりゃ僕と芳彦くんだって守助くんのおしっこを流したあとの風呂場なんて絶対入りたくありませんもの。実際守助くんはプールや銭湯の中で堂々とおしっこをするのを知っていたので、守助くんが入った後には湯船に浸かりたくない時がほとんどでした。
二人は散々言い合いし、そして今回は先に母が折れたようでした。
「今後漏らしたら、庭の水でてめえのケツ洗いな」
父は当然のようにそう言ってタバコをふかします。意見は変えるつもりは全くないようです。
「ほら、小便小僧を家にあげんなっつーの!! オラ、おめぇも…コラ!! そのまま家にあがんなっって言ってんだろ!!」
汚れた足の状態で家に上がろうとしている、守助くんの頭を父がゲンコツを食らわせます。泣き止みかけていた守助くんの瞳にまた涙が浮かぶのがみえました。
「ほんとなっさけねえやっちゃな。芳彦にケンカ自分で売っといて負けてチビって泣いてんのか?? ちんちん付いてんのか?!」
「付いてるけど寝小便とお漏らししかデキマセーン」
守助くんの横で富田くんがそうからかって、おじさんたちがどっと笑いました。
榊原さんだけがコラコラと優しく注意しておりましたが、やっぱり守助くんが富田くんに憤慨している様子を見て楽しそうです。
「…ほら、守助もこっち来なさい」
母はちょうど縁側の真っ正面にある水道の蛇口にホースを付けているところでした。蛇口をひねってホースの先から水が出るのを確認しています。
「おら観念しろおデブちゃん。お漏らしチンポコ洗ってもらってこい」
「ヤダ!! 俺イヤダ!!」
その場を動かない守助くんにしびれを切らし富田くんが彼の肩を掴むと、母の元へと強引に運んでいきます。
守助くんは半べそをかきながら、母の前では駄々っ子のように「いやだあいやだぁ」と土の上で何度も足踏みして抵抗しています。
そりゃそうでしょうに。縁側に座っている大勢の観客はニヤついた顔で守助くんと母を眺めているのですから。
「俺たち見てないから安心していいぞー」
おじさんたちはふざけて目を覆う真似をしています。しっかりと見ているという何よりのアピールのようでした。
「いやダァ!! 絶対いやだ!!」
「洗わないと汚いでしょ!! バカ!! 早く脱ぎなさい!!」
母は暴れる守助くんを無理矢理万歳させてシャツを剥ぎ取ると、彼の汚れたブリーフに手を伸ばします。守助くんは慌てて腰を引いて逃げようとしますが、その丸い体を富田くんが捕まえました。
「豚カツゲット〜」
「放せよ!! ざっけんなっ!!」
「暴れんなおい!! ってかきったね、濡れたケツこっちに引っ付けんなって!!」
二人が言い合いしているその隙に母は守助くんのブリーフを掴んで、足首まで一気に下げます。
小ぶりのおちんちんが僕らの目の前でピョコンと飛び跳ねてその姿を露わにします。富田くんは素っ裸になった守助くんの小ぶりのおちんちん、そして彼の大福尻を見て堪えきれず吹き出していました。
芳彦くんも父の膝の上で大はしゃぎですし、他のおじさんたちもさっきの約束はもう忘れて手を叩いて笑ってしまっています。
「んおれ..いやだよぉ、かあちゃぁん...!!」
守助くんは股間を手で押さえながら何度も何度も甘えた声を出して足踏みしますが、母が強引に守助くんの肩を掴んで近くに寄せます。
「恥ずかしいなら早くなさい!! もぉおちんちん触ったら手も汚くなるでしょうが!! ほら、お尻向けて」
守助くんは若干屈み腰になったまま大きなお尻を母に突き出すようにします。(彼なりに股間を隠しているつもりだったのでしょう)それからたまに顔を上げると僕らを睨み「見てんなよ!!」と怒鳴り口調でそう叫びます。そしてその都度母にその桃尻を叩かれてしまうので、その場からはもう笑いが絶えることはありません。
「にしても守ちゃんのケツホンマでっぷりしてきたなぁ。普段何食わせてんだよ」
「ケツだけじゃねえだろ。あの肥満体見てみろよ。子豚もビックリだぜ」
「あいつぁ昔っから、信二と芳彦の食いモン奪ってきたんだぜ?! 一人だけブクブク太るのも頷けるぜ」
酔っ払いたちは好き放題言って、守助くんがお尻を洗ってもらうのを楽しんで鑑賞しておりました。
「多恵子さーん。そいつのケツの穴も綺麗にしてやっとくれよお」
そんな声があがると一同が大いに笑って、母もはにかんだような笑みを浮かべます。守助くんだけ物凄い形相で睨み返していましたが、格好が格好なので迫力も糞もありません。富田くんは母に指示されて石鹸を持ってくると母の横に置きました。
母は富田くんにお礼を言ってから、石鹸を手であわ立ててもう一度守助くんのお尻を洗い始めます。やっぱり水だけでは不十分だったのでしょう。
「ほら、前も!! 手邪魔って!!」
「い...いやだよぉ...なんでぇ....」
「守助!!」
あの守助くんでも母の命令には逆らえないようで、観念したように股間から手を放しました。ツボミのような小さく縮こまった守助くんのおちんちんが丸出しになります。
富田くんは母の背中側に移動すると「ちっさァ」と口だけ動かして守助くんにだけ見えるようにして嘲笑の笑みを浮かべました。
守助くんの顔が赤くなるのが僕の位置からでもはっきりと分かりました。母は石鹸のついた手で守助くんのそのツボミの先を摘んで丁寧に洗い始めました。
今日一番の笑いが縁側の方から響いてきたのは言うまでもありません。僕の位置からでも守助くんの表情がくしゃくしゃにしていく様がはっきりと分かりました。
「おめぇママにチンポコ洗われながら泣いてんじゃねえよw」
富田くんのその一言で守助が「ぐぅ…うぐぅ...」と低く唸るようにして泣き声をあげました。母はまたしても大きなため息を吐きます。
「もぉー。あんたも悪いんでしょ?! お尻見られて恥ずかしいならちゃんと痩せる努力なさい!!」
母が守助くんの大きなオケツをピシャリと叩くと守助くんの泣き声が大きくなりました。

その後の記憶は少し曖昧ですが、母は芳彦くんに守助くんにきちんと謝るように指示しました。
芳彦くんは、体を拭かせてもらいパンツまでみんなの前で履かせてもらった守助くんに近づくと「ごめんなさい」と素直に頭を下げました。
守助くんにとってそれはどれだけの屈辱だったか分かりません。芳彦くんを何発も殴った後とは言え、電気あんまでお漏らしをさせられて泣かせた挙げ句、おちんちんとお尻の掃除をみんなの前でやらされてしまった訳ですから。それも全部あの芳彦くんのせいで。
それに母に言われて謝られるというのは、自分より弱い立場にされるほど屈辱的なのです。
榊原さんに宥められながら、膝の上で拳をぎゅっと握りしめて涙を堪える守助くんの丸い背中は見ていて哀れな気持ちにしかなりませんでした。

豊満少年史について

更新とまっとります。
しばらく休んでおりました。
復帰に向けて別の方の作品手伝ったりしとりました・・・といいわけさせてください。
お時間あるときに必ず。

身体測定①

長い時間が空いてしまいました。共同製作の為互いの時間が取れず...なかなか更新できずでした。
お待たせいたしましたが、続きを書いていきます。

守助くんがその後どうなったか気になっている方も多いかと思います。
電気あんま事件で子分達の恐怖心を煽った守助くんは、例のストリーキングがあったにも関わらず一部の子達の信頼を取り戻したようにも見えました。若干、司くんママのおかげで司くんへの集中攻撃は減ったようでした、それでも日替わりでターゲットを決めるととことん追い詰める姿勢は相変わらず変わっていないような気がしました。
クラスでは守助くんは前にも増して浮いていましたが、元々嫌われ者(特に女子からは)の守助くんはやりたいようにやっていましたし、クラス内でも前と変わらず大人しいタイプの男女にはちょっかいをかけていたりもしました。弟としては喜ぶべきですが、守助くんからの暴力を受けている身としてやっぱりどこか残念な気持ちは隠せませんでした。
小鉄くんが仕掛けたのは、司くんママが家に来てからしばらく経った時のことでした。
ちょうど僕らの学校も身体測定の時間を割り当てられて、その日は午前から全学年体育館で身体測定を行うことになっていました。
今と違ってシャツとパンツだけで測定のため、男子はシャツとブリーフの姿、おまけに裸足になり体育館集合。女子は学年交代で保健室で測定を行っていたかと思います。
僕らが体育館に着いた時は四年生が順番に測定を行なっている最中でした。既に右端には五年生が体操座りして並ばされており、僕ら六年生も彼らの横に詰めて待つように指示を受けました。
学年集会の際も子供同士集まると騒がしくなりますが、この日は年に一度の測定の日という事もあり、普段より一層体育館は騒がしかったと思います。金子先生も忙しそうにしながらも、たまにこちらに顔を向けては怒鳴り声をあげておりましたが、すぐに喋り声が大きくなるのをみると半ば諦めるように仕事に戻っていました。
僕は特にすることもなく芳彦くんを探したり、四年生が体重を測定しているところをぼんやりと眺めておりました。
そこでふと周囲が騒がしくなったので僕は顔をあげました。
「お前らもういっぺんいってみろよ」とか 「なめてんじゃねえよ」など尖ったような甲高い声を出しているのは案の定守助くんでした。守助くんは五年生の輪の中にいる少年グループに睨みをきかせていて、下級生の子たちは怯えるようにして輪の中で肩をすくめています。(ことの発端は五年生のお調子者の一路くんが守助くんの下着姿を見て、以前のパンツ事件の話をしたことから始まったらしいですが、その場にいた数人がまとまって巻き添いを食らってしまっていたようでした)ただ一路くんはどちらかと言うと守助くんのアンチ側の子でしたし、守助くんのことを陰で(最近では堂々と)モリ豚と呼んでいることは意外と周知の事実だったりしています。生意気な彼の存在も含めて多分、守助も以前から気に入らなかったことはあったかもしれません。一路くんも流石に上級生を前にして怯えてしまっており、何度もごめんなさいとつぶやいていましたが、守助くんの耳に入るわけがなく、僕が気づいたときは守助くんは一路くんに飛びかかっていました。守助くんは覆いかぶさるように一路くんにのしかかってそのままヘッドロックをかけます。細身で運動神経の良くんも一路くんも巨体の下敷きになってしまうと、押しつぶされながら身動きがとれず、痛さで藻がいておりました。(子供同士の間でも多少の加減はあるのですが、守助くんの場合それがありませんので...)
「てめえまじで許さねえから!!」
守助くんが声を張り上げ、測定中の五年生の数人がこちらに目を向けます。金子先生はちょうどその場にいなかったため別の先生が「コラ!!」と遠くから声をあげていましたが、ほとんど効果はありません。
「ご...ごめんって、も、もりくん...」
一路くんが苦しそうに声をあげます。守助くんは周りで五年生が怯えている表情をぐるりと眺め回し、優越感に浸った顔をしていました。それからさらにその腕に力をこめます。一路くんの苦しそうな声が大きくなりました。
「どうした?おら、首の骨折ってやろうか?」
一路くんの表情が歪み、周りが流石にそわそわしだした頃でした。ふいに彼の身体が背後から捕まれ無理矢理に引き上げられました。学校で一番力のある源太くんでした。源太くんは床に座った姿勢のまま守助くんを背後から羽交い締めにし、壁側へと引き寄せて固定させます。守助くんは一瞬何が起こったのか飲み込めていないような顔をしていましたが、すぐに状況を察すると「てめえジャマすんな!!」と金切り声をあげて手足をバタバタとさせます。が、相手は中学生に腕相撲で勝利したことのある源太くん。そのごつい体にがっしりと支えられているわけなので、守助くんが敵うはずもありません。
「お、おめえ、カンケーねえだろ。放せよ!! 俺と一路の喧嘩だぞ」
「何言ってんだバカヤロー。ただいじめてるだけだろ」小鉄くんも既に守助くんの前にきていました。
「お前下級生いじめて楽しいのかよ」
「うるせえよ」
「まだ粋がれるのかよ、ばっかだな」
小鉄くんはそう言うと、完全に起き上がった一路くんの耳元で何か囁きます。一路くんはそれを聞いて目を丸くしてクビを振っていましたが、小鉄くんが「大丈夫大丈夫」と気軽に笑います。一体何が始まるのかと思いきや、小鉄くんと国彦くんが守助の左右の足を掴み左右に広げたのです。みんなシャツとブリーフの同じ姿なのに、太った守助くんがその姿のまま股をM字に開脚されるだけで、なんとも滑稽な姿になっていたことは確かです笑
「一路くん!!反撃だ反撃!!」
小鉄くんが声をあげます。何をされるか既に想像がついた守助くんは鼻息を荒くしてがむしゃらに身体を勢いよく動かそうとしますが、3人に抱えられるようになってしまい、もう自由はききません。
「放せっ!! 放せよお!!」
守助くんの怒声に小鉄くんは慌てて一路くんを急かしました。
「ほら、早くしないと先生来ちゃうって」
一路くんはあたふたとしておりましたが、年上三人に急かされて、片足を伸ばし、足の裏を守助くんのブリーフの股間の部分に添えるように置きました。既に五、六年生は誰もが興味津々状態で事の成り行きを見守っている状態。守助くんは顔を真っ赤にして一路くんを睨みつけます。
「やめろ一路!! てめえただで済むと思ってんのカ!!」
「大丈夫だって、このデブ動けねえからさ、ほらほら」
小鉄くんがまるで見せつけるように守助くんの丸い頰をペチペチと叩きます。されるがままの守助くんを初めてみた、五年生、六年生の男子は思わず目配せして薄ら笑いを浮かべます。
「一路早くやっちゃえよ」と、声が上げる者までも出てくるのです。
「ぶっ殺す、ぶっ殺す」と守助くんはひたすら一路くんを威嚇しておりましたが、さすが一路くんと言いますか、プレッシャーの中、守助の股間の上にあてがった細い右足をゆっくりと振動させました。
それは五年生からの六年生への電気あんま。想像を絶するほどの屈辱に違いありません。それもパンツ越しに。
守助くんも一路くんが本当にやってくると思っていなかったのか、リンゴのように赤くした頰を硬直させて目を見開きました。爆発的な笑い声が周囲に起き、金子先生の怒鳴り声が聞こえますが壁側で囲いができているため気づいてはいません。
「はは、いいぞ〜、一路くん。でもちょっと弱いぞ。もっと強くやったってーなー」
小鉄くんはもう大はしゃぎしながら、守助くんの表情と周囲の生徒の様子を交代に見ておりました。今考えればあの小鉄くんが自分から力作業を進んで行うことは珍しかったかもしれません。ただその時は敢えて下級生に電気あんまをさせるという選択肢をとったんだと思います。
「強く...って..えっと、こう??」
一路くんの裸足の足の裏が守助くんの股間部分にぎゅうっと食い込んで、守助くんは表情を歪めました。
「ハハッ、超傑作。オーイ、みんな見ろよ!! 守助のデブが五年に電気あんまされちゃってっぞ〜」
国彦くんも守助くんの片足を抑えながらも、高い声で笑って周囲の関心を引きつけます。周囲には神社に来ていた守助くんサイドの子分たち、そして芳彦くんに司くんまでもが居ましたが、皆が皆既に笑いを抑えられない状況だったかと思います。
「なあ、一路くーん。感触どんな感じよ?」ニヤニヤと笑みを浮かべながら小鉄くんが一路くんに尋ねます。
「うーん...いや...」
小鉄くんも困りながらも少し口元を緩めて強張った笑みを作り、「なんかぶにゅぶにゅしてる」と正直に感想を述べました。
「それってこいつの腹の脂肪だろ?」守助くんの力が弱まったのか、小鉄くんは片手で器用に守助くんのシャツの裾をひょいっとめくりあげます。真っ白なシャツがめくり上がると、守助くんの太鼓腹と窪んだ臍が丸出しになり、小鉄くんは太鼓でも叩くかのようにポンポンとその腹を平手で打ちました。爆笑と同時に一気に一路くんの緊張も解けた様子で、彼は足の向きをちょっと変えて今度はつま先の部分を守助くんのブリーフのちょうどチャックの部分に当てました。
おお、と歓声が起きると同時に一路くんはちょっと探るようにつま先を守助くんの股間あたりでモゾモゾと動かします。
ずっと奇声をあげていた守助くんは目を固く結んで堪えるように歯を噛みしめる仕草を見せました。一瞬ですが辺りは静まって、注意をしようとしていた別のクラスの先生もまた四年生のいる方に戻っていってしまいます。みんなの視線が、守助くんのブリーフの部分とそこを刺激するように動く一路くんのつま先に注目されるのは異様な光景だったか思います。
一路くんは途中で、何度か首を傾げながら、ん?と怪訝そうに眉をひそめたり、ちょっとニヤケながらも「あれれ〜」と言って、何度か角度を変えてつま先、更には足の指を守助くんの急所辺りで自由に遊ばせました。そしてある一点のところで足をとめると、「あっ」と声を上げて悪戯っぽい笑みを浮かべます。それから同じ箇所で何度か足の親指と人差し指を小さく動かします。
「…くぅ…」
守助くん小さく呻き声を漏らしたのを近くにいる悪ガキ集が聞き漏らさないはずがありません。
「どうだ?あった?」
「うんw...あ....どこいった...あれ...」もう完全にリラックスした状態で一路くんはふざけながらも「あったあったw」とふざけて舌を出します。既にしわしわになっている守助の股間に置かれた一路くんの足の指は何かを捕らえたような形になっていました。
「いま、挟んでる」ちょっと照れたようななお可笑しそうな顔を一路くんは浮かべて、そのまま周囲のみんなに目配せしました。
「ん?なにをだー?」分かりきったことを国彦くんが尋ねます。
「守豚の....ち...ちんちん」
堪えるようにしていた何かを息を吐き出すかのようにして、一路くんはそのまま弾けるように笑いました。もちろん周囲のみんなもおおはしゃぎです。
「うっそ!?守助くんのちんちんつまんでんの?」
確認するかのように五年生までもがわざわざ前に来て一路くんに尋ねたりさえもしています。
よく見ると一路くんの足の親指と人指し指の間で、ブリーフのポコっと膨らんだ部分が挟まれているのが垣間見えました。
しかしそれはあまりにお粗末過ぎてしまって、本当に守助くんの性器なのかどうかさえ分からない状態でしたが笑
ただその場の皆にわかったことは、一路くんの足の指の間でも挟める程度の大きさということ、です。
「ぎゃはははw おい守助、一路くんがお前のおちんちん発見できたってよ!! よかったなあw」
目尻にうっすらと涙を浮かべながら、息を粗くさせ、守助くんははしゃぐ国彦くんを睨みつけます。既に暴れる力も尽きてしまったのかさっきみたいに騒ごうとしません。しかし腕を解かれたら即彼を殺してしまいそうなような獰猛な目つきをしていたことは確かです。ただどうしても顔の作り自体赤ん坊でしたし、そして赤ん坊のように足を広げられていて、オマケに下級生にちんちんを遊ばれているわけですので、その威嚇もこちらに伝わるはずはありません。
「い...一路てめえ...ぜってぇ...あ、あとで、覚えてろ...おぼえて..ろ」
守助はその瞳を一路くんにも向けますが、一路くんは完全に守助くんの恐怖の感情がすっかり抜け落ちてしまっているようでした。相手の急所を捉えた状態ですし、守助に抵抗はできません。ニヤニヤと口元で笑みを浮かべて守助くんの悔しがる表情を眺めています。
「なあ、一路くん。こいつのちんちんどんな感じだよ〜?みんなに教えてやってくれよォ」
小鉄くんの悪戯っぽい声に一路くんはちょっと考えて「えーでも、なんかさ」と続けます。「ちっちゃ過ぎてよくわかんないよ」
一路くんの言葉にどっと周囲が笑います。一路くんはなおもソレを確認するかのように、そのまま足の親指と人差し指を交互に上下に動かしました。彼の小さな足の指の真ん中で挟まった守助くんの恥ずかしい部分が、反動で上下左右に移動し、守助くんは図体を小刻みに痙攣させます。その反動で丸出しの太鼓腹がぶるぶると震えるので絶えず笑い声は尽きません。
「うわぁ...なんかめっちゃくにゅくにゅしてる」
「一路くんいいぞ〜まだ先生こんからそのままやったれよ〜」
「あ、こいつ大人しくなったな?あ、もうそろそろっぽいなぁ」
そこでずっと守助くんを後ろから羽交い締めにしていた源太くんが、気づいたように声をあげます。後ろから守助の顔だけ覗き込み何かに気がついたようです。
「源太、マジ?お前そんなのわかるのか?」
「だって、おれんちの弟と同じだもん。小鉄くんも知ってるだろ?」
そう言えば源太くんは意外と家では面倒見がよく、園児の弟のおやつやトイレの世話をしていたりと聞いたことがあります。
「へへっw 守助くんは何ちゃいなのかなぁ〜」
小鉄くんがからかうように守助くんの頬っぺたをつまみました。守助くんはもう青ざめた表情のまま何も答えることができません。すなわちほぼ限界まで来ている状態だったのでしょう。
「一路くんそのまま、こいつのちんこ刺激してってなぁ、ゆっくりな」
源太くんが真面目な顔で一路くんに指示をだし、後ろから首を伸ばして守助くんの表情を同時に眺めます。
「うん!了解」一路くんもそう声をあげて再び指を動かします。
「ン....!!ぐ...!!あぐぅ....」
一路くんの指が動くと同時に、守助くんの細い呻き声だけが響きます。
「おーい、おめえら、すげーもん見られるぞぉ」
小鉄くんの言葉に興味津々に子供達は身を乗り出すようにして守助くんを眺めます。僕も彼らの意図が分かったとき、小鉄くん達に逆らうと本当に怖いんだなとその時改めて実感させられた記憶があります。まさか体育館で五、六年生みんなの前で守助くんにアレをさせるなんて。そんな恐ろしいこと、半ば信じられない気持ちも強かったんだと思います。
「…だ…あ…だ…ッ!!も、もう…ぐぅ…やめ…ッ!!」
守助くんの声がかすれ、源太くんが笑みをこぼします。「あ、もうちょいかな、あと20秒くらいで出るぞ」
「え?マジ、なにが?」
周囲も源太くんの言葉の意味に気がついたのか、ざわざわと響めきが上がります。
「出るってなにが?」
「え…?ホントに?うそだろ!?」
一路くんも慣れてきたのか、指先を器用に動かし、それを摘まんだ状態で振動を小刻みに与えます。守助くんが表情を強ばらせ「ングゥ」と喉の奥から絞り出すような低い声をあげました。
その次の瞬間のことです。一路くんの足の指先に挟まれた白い布地の先端が、ジワリと黄色く色を変えました。一路くんはうわっと悲鳴をあげて足を引っ込めます。
ソレを発見した生徒が悲鳴と笑い声をあげ、一気に騒ぎになります。
「守助のデブ、漏らしやがったぞ!!」
「うわああ!! ったねえええ!!」
「すまんすまん、タイミング間違えたわ〜」と源太くんだけ苦笑いして一路くんに謝っています。
「一路!?足に守助くんの小便ついてねえか?!」
五年生もゲラゲラ笑ってそうはしゃいだので、一路くんは立ち上がって右足の指先を床に擦り付け、そしてなんと守助くんの顔にも足の指先を擦りつけました。守助が潤んだ瞳をかっと見開いた時にやっと金子先生が怒鳴り声をあげて向かってきたため、源太くんたちは守助くんの体を解放しました。
金子先生の叱責の中、守助くんは股間を隠すように体操座りしてじっと地面を眺め、そんな彼をあざ笑うかのように一路くんや他の五年生らはにやついた笑みを浮かべていました。

仕返し

学校でのそんなストレスが守助くんに募る一方、守助くんの年下への暴力は日に日に増す一方でした。その頃の主な対象は芳彦くん。そして芳彦くんのクラスメイトの司くんだったかと思います。司くんは貧弱な体型をしていて、僕と似て気が弱い性格だったので、元から守助くんのイジメの対象にはされていましたが、近頃では特に守助くんに的を絞られていたと思います。それもそのはず、守助くんのオネショ事件・夏木ちゃんの目の前でのお尻叩き事件(ハミ金も含む)を司くんに話したのは芳彦くんでしたし、それを大勢に広めたのは司くんなのです。ただ、お尻叩きの件については近所でも有名になってもいましたし、情報通の小鉄くんのように二人に聞く前から知っていた子も大勢います。守助くんは体育授業でのパンツ下ろし事件(パンツが下がったのは偶然だったかもしれませんが)の恨みや怒りの矛先を全て二人に向けていましたが、あれは起こるべくして起こった事件だったのかもしれません。
そしてその暴力の内容はと言うと、殴る蹴るはもちろん、大勢の前で二人で殴り合いのケンカをさせたりだとか、ダンゴムシを食べさせたりとか…小鉄くんに劣らぬ残酷な内容だったそうです。普段は何でも相談をしてくれる芳彦くんもこの時ばかりは酷く守助くんを恐れていて、何を尋ねても口を開いてくれませんでした。僕もそんな芳彦くんを気遣って、家にいるときはできるだけ一緒
にいたり、また二人でできるだけ母の近くにいるようにしたりはしていましたが酔っ払い親父には甘えん坊はいらねぇと叱られるので、どうしても家の中だと守助くんの暴力からは逃れられなかったのです。
そんなある日の日曜日のこと。守助くんは今日は面白いものを見せると言って、お昼過ぎに四、五年生を空き地へと集めました。嫌な予感しかしませんでしたが逆らうと後でどんな目に遭うかわかりません。僕と芳彦くんが到着した時には殺風景な空き地で六人程の子が地面に体操座りしていました。彼らの目の前で薄気味悪い笑み浮かべて立っています。何が始まるのが考えるだけで心臓の音が跳ね上がりそうでした。近くで数人の女子が縄跳びをしていましたが、こちらのグループには死んでも首を突っ込んでこないでしょう。僕らは女子の近くを通り過ぎて、守助くんの方へと向かい輪の中に座りました。
「まあまあ、お前ら。そうビクビクすんなって。今日はいつもの特訓とかじゃなくってな。本当に楽しいゲームなんだよw」
守助くんが言う特訓というのは意味もなく空き地の周りを走らされたり、川に突き落とされてずぶ濡れになったりすることです。特訓じゃないならまだマシですが、一体何なのだろうと思いました。
守助くんはふふふーんと上機嫌に豚っぱなを鳴らし、「司、来い」とだけ言って座っている司くんを手招きさせました。
司くんはノロノロと立ち上がり前に進みます。当然ですが、怯えた表情をして。
「お前は俺の一番の親友だよな?」
守助くんはそう言って司くんの肩を組みます。年は違えど、守助くんは背が低く童顔のため同学年、もしくは年下に見えてしまう人がいるかもしれません。この状況を知らなければ、ですが。
「う、うん」
「そうだ、そうだよなあ。じゃあ今日はお前で面白い実験やっからさあ。ちょっと座れよ」
守助くんはもう一度その場に、司くんを座らせると。彼の両足を掴みました。フヒヒヒといやらしい笑いをしてその細い目は、彼の股間を見つめています。守助くんが何をしようとしているのか、その時点で僕たちは察しました。
彼が小学四年生の時に、一時ハマっていたあの遊びです。どうして今になってその遊びを行おうとしたのか検討もつきませんでしたが、守助くんはスタートの合図もせずに司くんの股間に靴を食い込ませたのです。悶え苦しむ司くんを目にして、彼が三年生の時、毎日守助くんに電気あんまをされて泣いていたことを思い出しました。あの時は富田くんのおかげでその遊びは止まりましたが、中学になった富田くんとは前より遊ぶ機会も減ってしまっていたため(その時は守助くんはだいたいいませんが)クラスメイトの問題を除けば、ある意味守助くんの天下だったのでしょう。
次の瞬間、守助くんの足の裏が勢いよく司くんの股間を踏みにじるように刺激を与え、その振動で司くんの華奢な体は強く左右に揺さぶります。子どもというのは不思議なもので、例えそれが仲間がやられていたとしても反応がおかしければ笑ってしまうのです。彼らは司くんの惨めな姿に笑いを堪えきれず、ついには声を出して笑ってしまっていました。
「オラオラァ〜昔みたいに泣けよぉ!! ぁあ?俺がいつお前の前で泣いたって?」
「…ご…ご、ごごめ…なさぃい」
どうやらまだあのお尻叩きの件を守助くんは根に持っているようでした。その腹いせにこの場で司くんを泣かせようという企みでしょう。都合のいいことに近くでさっきからこちらを心配そうに見えている女子も、司くんや芳彦くんと同じ五年生のはずです。女子の前で電気あんまで泣いてしまうなんて、五年生にだって精神的苦痛は大きいはずですから。
司くんは途中股間を手で覆い隠しましたが、守助くんはそれに構わず砂の付いた靴裏をその手にねじ込めます。痛さなのか、司くんは小さく悲鳴をあげて両目をぎゅっとつぶりました。守助くんは「まだまだ〜」と元気いっぱいに笑って今度は子分に彼の両手を持つように命令しました。指示を受けた四年生二人が司くんの両手を持ち上げると今度こそ両手が彼の股間から放れ、股間の部分に障害がなくなります。守助くんは舌なめずりしてその太い足をもう一度彼の股間に忍ばせました。そして思い切り振動を与えます。司くんの体は飛び跳ねるように藻掻きますが、情けないことに四年生二人の力もあって全く身動きがとれないようです。
「マジで泣かないと金玉つぶすからな!! ほら泣ーけ !! 泣けよ泣き虫 !!」
守助くんがそう吠えたその途端、一瞬痙攣していた司くんの体が大人しくなり何だかモジモジと奇妙な動きを見せました。
「ん?」と守助くんは眉をひそめて電気あんまを止めます。司くんは泣いてはいませんが、顔が火照って赤くなっています。僕と芳彦くんは目を見合わせます。
一昨年、守助くんが富田くんに電気あんまをされて、お漏らししてしまった光景が目に浮かんだからです。あの時は空き地に僕と司くんと芳彦くんだけでしたが、ここには大勢いるのです。もし司くんがお漏らししてしまっていたら、一気にこのことは広まってしまうでしょう。
「か、かわいそうだよ…」
僕は小さな声でそう言いましたが、守助くんには聞こえていません。守助くんも僕らと同じことを考えていたのか重たい腰を上げると、掴んでいた司くんの両足を放しました。司くんはもう体力が残っていないくらい消耗していましたが、依然として四年生に両手を捕まれているため自由の利かない身です。
「エッヘッヘ、急に大人しくなってどうしたんだよ、司。まさか、やっちゃったとかかぁ?」
守助くんは彼の腰をずらしてお尻の下を確認します。しかし予想に反してそこに水たまりができた後はありませんでした。僕と芳彦くんの予想も外れ、司くんは特に漏らしていなかったと言うことになります。守助くんは悔しそうな顔をして腹いせに彼の股間をぎゅっと足で踏み込みました。
「あぅぅ…!!」
と司くんのあえぐ声。そして守助くんの表情が変わりました。
「なんだ、これ?」
守助くんは司くんの股間をもう一度探るように踏みつけます。横で見ている数人の子どもは既に勘付いている子もいたのでしょう。ソレを指さして声を上げて笑う子までおりました。
見れば、司くんの半ズボンの股間の部分はぽっこりと膨らんでしまっておりました。その瞬間、僕は恐ろしいことが起きたことを察したのです。
「ん?えー?なんだこりゃ。なんか、カテぇの入ってんだけど?」
守助くんは不思議な表情で、靴裏で司くんの股間をまさぐるように踏みつけます。
その度に司くんは切らしていた息を早くしたり、我武者羅に体を捩ったりするのですが、その仕草が面白いのか少年たちは笑い守助くんが益々面白がるのです。
「マジでちんこか、これ?お前のちんこなんででっかくなってんの!?」
大声でそう言った声が向こうの女子にも響いたかもしれません。女子数人がこちらに顔を向けます。
これが『勃起』と言う現象で、その言葉や症状の意味を知っているのはきっとこの場で僕と五年生、一部の四年生だけだったでしょう。後の子はつられ笑いかもしれません。そして僕がその時一番驚いたのが守助くんもその意味を知らなかったことです。
「マジどうなってんだよ、お前のちんこ。ちょっと見せてみろよ」
守助くんは興味津々にそう言ってしゃがみました。意地悪と言うより最早好奇心で言ったような台詞でした。が、この場では残酷そのものです。
「…やっ、やめ、イや…!! 放して!!」
司くんは死に物狂いで暴れますが、残念なことに人に嫌がる反応を見てつげあがるのが守助くんの性格です。
「いいじゃんいいじゃん。ちょっとだけだろ?見ても減らねぇじゃんか。お前らもこいつの手ぜってぇ放すなよ」
「あ、あ…ダメだって、こ、これは、だ、ダメだよ!! …や、やめでよ!!」
「うっせえなー。あ、おーい、女子もこっち来いよ〜!! なんか司のちんこさ、チョーでっかいんだぜ〜」
「もりぐん!! ダメだってばぁア!!!!」
うわっ!!と司くんが爆発したように大声で泣き崩れました。四年生は驚いて手を話、司くんは股間を隠すように体操座りになって、その場でワンワンと泣き始めました。守助くんは「つまんねー」と吐き捨て、それでも満足げな顔をして立ち上がると子分数人を引き連れてその場を後にしました。守助くんがいなくなった後も司くんは蹲って泣いたままその場を放れることはありませんでし
た。

その夜、家のチャイムを鳴らしたのは司くんの母親でした。ドアの前で司くんは俯き加減で立っていて、その隣には派手な服で眼鏡をかけ女性、彼の母親が腕組みして佇んでいます。要件の分かっている僕は母を呼んでから部屋にいって宿題をしている芳彦くんの隣に座ります。
「やっぱり来たね」
「だね」
芳彦くんは肩を竦めて見せましたが、それだけでした。家では苦情の電話や突然の来店なんて日常茶飯事なのです。なんせあの守助くんが屋根の下にいるのですから、昔からこう言ったクレームには子どもの僕らも慣れてしまっていました。
「守助!!! 来なさい!!」
母の怒鳴り声と、そして部屋をバタバタと逃げ回る音。追いかける音。騒がしい音が聞こえ、また玄関口からガミガミと説教の声が聞こえます。今思えば、母のクレーマーへの対応力も神対応と言っていいものだったかもしれません。
(逆に言えばそれだけ場数を踏んで着たと言うことにもなりますが)
ただ当時子どもの僕はそんな母が哀れに思え、子どもとしてできることをやっておりました。そっと襖をあけて廊下の奥に目をやります。玄関口で母が何度も頭を下げながらも、その左手にいる守助くんの耳を引っ張って逃げないように固定しています。そして司くん親子が目に入りました。
僕はしょぼくれている司くんにそっと手招きをします。司くんはちょっと迷った表情を見せましたが、何度か手を振っていると靴を脱いでそのまま部屋まであがってきました。
「ぼく、司くんの面倒見てるからね」
面倒と言っても、僕にとって年下はどれもほぼ同級生のような存在でしたが、そう言うことによって母は安堵の表情を浮かべ、司くんママも少し落ち着いた表情を見せるのです。僕の顔をちらりと見て少し表情を和らげました。僕と芳彦くんが司くんと大の仲良しなのは知っているからです。
「気にすんなよ、明美たちさ。気づいてなかったぜ」
芳彦くんが椅子に座ったままペンを回して、芳彦くんに話しかけました。明美とは昼間空き地にいた五年生の女子のことです。
「それに勃起なんて男なら誰だってするよ、自然現象」
「っていうか、お母さんに言ったの?」
「何を?」
「いや…そのさ、あれ」
芳彦くんが股間で指をちょっと持ち上げたような仕草をし、司くんが恥ずかしそうに首を振ります。
「だよね、やっぱ」
「電気あんまのことは言ったよ。ズボン泥だらけだったし、ばれちゃったよ。
あのことは……言えるわけ…ないよ」
「そんな恥ずかしがることないって」
僕もそう言って友人の背中をさすりました。
「うん、笑ってたやつだって知ってたから笑ってたんだろ」
「そうそ、六年生なんてみーんな知ってるからね。恥ずかしいことじゃないんだって」
「へへ、まあ僕は信二くんの勃起みたことないけどね」
芳彦くんが僕をからかって、僕らは笑い合います。そこでやっと芳彦くんも少し笑ってくれました。
「あのデブがおかしいんだぜ。勃起も知らないとか、なんだっつーの」
「本当に初めて見た感じだったよね?」
「あのちっちゃいちんちんじゃさ、立ってもわかんないんじゃない?」
そう言って僕らはまた楽しく笑い合います。
それから数分後、司くんの母親の明るい声が聞こえました。どうやら僕らの作戦はうまく言ったようでした。僕らは玄関まで見送って、最後に司くんにこう言いました。
「もうちょっといなくていいの?」
「そうだよ、こっから面白くなるのにな〜」
「なんで?」
きょとんとした顔で司くんが僕らを見返します。その顔に僕と芳彦くんは目を見合わせて笑いました。
「決まってんじゃん。尻叩きだよあのデブの。ケツ出して泣く姿見られるんだぜ?」
「んじゃ、今度見に来るよ」
司くん楽しそうにフフっと笑うと、母の手を取ってたんぼ道を並んで歩いていきました。夏になりかけの夕暮れ時。小さくなっていく親子二人の背中を見た映像は今でも鮮明に思い出すことができます。